煙突排熱利用の床下暖房システムがダメな理由

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昨日より続く

一見エネルギーの有効利用で、次世代にありえそうな昨日の薪ストーブシステム。

記事の中で、何度か「ダメ」「設計士の独りよがり」「問題外」的な文章を書いたけど、その解説をします。(薪ストーブが詳しい方はももうお判りでしょうけど)。

排気熱を煙突から奪う、という重いシステムが躯体にしっかり固定されてなくて、薪ストーブに載せて支えている。家外から来る上部、床下へ行く最下部の配管がくっ付いているから、このシステムは重くてなおかつ動かすことができない。途中に2か所の支点金物があるけど、ブレ止めの役割で荷重は受けていない。事実先の大震災で大いに揺られたであろう、金物と煙突が擦れ合ったであろう3cm位擦り傷が煙突に付いていた。

今や二次燃焼システム・バッフル板等の構造のため、ほとんどのストーブが室内側からの掃除ブラシの挿入が難しい、煙突トップからブラシを入れても上手く掃除をすることは難しいだろう。

この構造だと掃除が大変だ。

この辺りでもう、薪ストーブのことをご存じない「大先生」の発案であることが想像される。その辺りは「ご愛敬」大目に見ることして・・・・・。

↑金物はブレ止めの仕事しかしない、全ての荷重は薪ストーブ上に

もしこの暖房システムが有効ならこの部分の不都合は、排熱システムをしっかり躯体に固定して、ストーブとの接続部にスライド部材を使うことで掃除問題はクリアーになり、「使えるはず」なのだが・・・。

実際はそうはならないと思う。

薪ストーブユーザーや薪ストーブ屋は、薪ストーブの煙突は「二重断熱煙突が必須」というのはもう常識であるから・・・・・・全くの逆のネガを発生するこうした空冷式の煙突(排気熱を積極的に奪う)は内部結露が酷く、冬の間は何回も煙突掃除が必要になることが予想され、その点実用性が低いと思われるからだ。

暖房効果が清掃手間を上回ればメリットが残るけど・・・・・。

何れにせよ薪を燃やせば、煤の発生などネガが必ずあるということと、煙突の重要な役割を分かっていない大先生の発案は、現在実用化されていないことからも「ダメ」プランであったと思われます。で私がスクラップに引導を渡すことになると思います。

↑これがリビング外廊下部分にある熱交換器。外気が直接でないにせよ下に見える管を通って煙突部に冷気が送られる仕組み。

 

 

 

 

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