薪ストーブ屋の未来

TOWN

日本は皆が知っているように国土の多くが森林で覆われている。しかしすべてが利用できるわけではない。

急峻な地形がほとんどなので、災害防止のための保安林や、環境保護のための国立公園法などで手を付けてはいけない森もある。

人間が利用している森といえば、杉や檜が植えられているから一目でわかる。逆に言えば、林業資源は、杉、檜という住宅用材に偏ってしまっている現状がある。かつては広葉樹も、家具や建具など用途があったけど。いまや高級家具職人がわずかに生き残るのみに・・・・。当然炭なども作り手は絶滅危惧種。

何が言いたいのかと言うと・・・。薪ストーブユーザーが増えようとも、燃料資源としての広葉樹はそうそうないのである。

地方においてはわずか70年くらい前までは薪炭は、重要な燃料であったので、計画的に広葉樹林は管理されてきた。しかし住宅需要の増大と化石燃料の普及で、森に対する需要が変わってきたのだ。

しかし生育に数十年単位かかる木材は、急には方針を変えられない。今や人口減少、住宅需要減少により、膨大な森林資源が使われずに、森の中で寝ている。

珍しく伐採しているなあ、と思ったらバイオマス発電所行きだったりする。

私が地元に戻って来たときに、森林組合に、「これから広葉樹が見直される時代が来るよ、雑木に戻しなよ」と提案したけれど、誰からも相手にされなかったなあ。

それが今や「コウダの言う通りになったな」と言われる始末。

これから動くには皆ロートルになってしまったようで・・・・。

ペレットストーブも同様だけど、社会の中で選ばれる、認知されるには、産業として川上から川下まで構造が成り立っていなければいけない。つまり薪ストーブ屋は居るけれど・・・薪屋も居なければ拡大どころか産業として成り立たないものなのだ。

 

今年は例年以上に薪作りをしてみたけれど。やればやるほど半端じゃないと思ったし。実際の現在の販価でも「合わないなあ」と思った。

薪ストーブ屋って、本当にニッチな商売だと思う。燃料供給者の手配もユーザーに任せて済まされるんだから・・・。

あと10年こうした構造を少しでも社会的にできるか?! 取り組みは始まったばかりです。

昨日紹介のチムニーファン。欧州製で実は20万円もする。

国内で産業として認知されていれば、国産で3万円位で作れるだろう。

薪ストーブは内外価格差が大きな商品だけど・・・これもその一例だ。

日本人ユーザーは「特殊な耐久消費財を特別高い価格で買わされている」わけだ。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました