と書くと、鋳物で出来たペレットストーブあんの??と突っ込まれてしまうので正確に書くと
「鋳物で装飾されたペレットストーブ」がこの「OU」である。
記事にするのは今季二回目なので覚えている方もいるだろう。
基本的な構造として薪ストーブは、内部で薪を燃焼した放射線を受けた躯体が、素材の鉄を介して放射熱を空間に発することで暖房としている。そのエネルギーを減じないように立方体6面全てから発熱するようになっているため、躯体に近い背面や床面は炉台などの遮熱構造が必要になる。
燃焼効率をあげるために、蓄熱体で内部を蔽うとか2次燃焼システムなど組み込んで最大限熱量を生かそうと工夫されているけど、どうしても3割は排煙で熱を失ってしまう。
一方のペレットストーブは、燃焼室内を高温に維持する、という意味では薪ストーブとトレンドは一緒なのだけど、排気管までの行程を内部に長く取って、熱を溜める構造になっていたり、途中熱交換システムで熱を効率利用する構造が組み込まれているので燃焼効率は90%もある。
ペレットストーブの基本構造というものは、もうすでに完成されており、これ以上の性能アップというものは期待されていないのだよ。
ではペレットストーブは何処へ行く???
脱炭素化で家庭用暖房が木質にスイッチしている欧州では、EUという障壁の無いマーケットの存在もあってとんでもない数のストーブメーカーが存在している。ここでは燃焼効率が云々という世界はもうなくて、リモコンやスマート家電対応なんてのも当たり前機能になっている。では何で差別化???
もうデザイン勝負になっているのだ。
暖炉のように、マントルピースに組み込むタイプ、躯体全体がマジョリカタイルで装飾されている、ソープストーンや砂岩など天然石で覆われている・・・・・・当たり前にそんな製品がゴマンとあるらしい。
だから「鋳物で覆われた一見薪ストーブ風」なんてストーブは全く目新しくない。
ただ4年くらい前だったかこのOUが登場した時に、「日本もそうしたステージに入ったか」と感慨深いものがあったのだよ。ただ定価も国内では最高級グレードなものだから、こうした市場がまだ浅薄な日本において、どれだけ認知されるか????と思っていた。実際過去2年当店では全然売れなかったのだけど、今年はポロポロ出始めた。
良いものはそれなりに評価される時代である。
プロのデザイナーと在山形メーカー3社(山本製作所、天童木工、山形鋳物の菊地保寿堂)のコラボ作品。
先に「鋳物で覆われた一見薪ストーブ風」と書いたが、見ての通り西洋のものに「似せた」デザインでは全くない。

最初見た時は「シンプルすぎない?」と思ったけれど。
シンプルな中にオリジナリティーがある。
鋳物というと鉄瓶が思い浮かぶけど、まさに鉄瓶に同様、普段使いの道具感のなかに深いデザインの奥行きが感じられる。実際炎が入ると存在感がドンドン増して見える。
夜更けに着いた宿場町入り口の常夜灯の灯にも見えてくるから不思議だ。
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