大学も4年生になるというのに、この夏休み期間中 ほとんど東大沼キャンプ場=摩羅好村に居た。一般に観光地のキャンプ場って1泊よくて2泊だろうけど・・・憧れの北の大地を目指す旅人の中には、長く滞留して「深く」地元を散策したり、時にはそこからアルバイトしたりする御仁もいた。
そうしたツーリストには滞留することができるキャンプ場として、例えば富良野だったり知床の熊の湯だったり、そして道南ではここ東大沼が知られていた。
普通に通過していくキャンパーに知らせることはないけれど、常連さんなら知っている「このキャンプ場に常連さんがいる」秘密を知った私は、そこから北へツーリングをすることなく、この年はできる限り「キャンプ場の常連さん」として過ごそうと覚悟を決めて来ていた。
キャンプ場の自発的管理人になったわけだ。といっても他にもメンバーは要るから、結構昼間は暇だ。
駒ケ岳に登山したり、その裾野の林道をオフロードバイクで激走したり、近所の温泉に行ったり、薪を集めに歩いたり、もちろん食事当番になれば、夕方から買い出しや調理がある。食当は翌日朝までが担当だ。自由で行動を決めるのは自分。
ツアーコンダクターの仕事もある。
現代のキャンパーには信じられない光景だろうけど、常設の釜戸で薪を燃やし、一斗缶なんかで煮炊きしていたわけで、その隣にはゲスト用のテントも常設されていた。
大沼湖畔はアップダウンがないので、レンタサイクルで1時間位で一周できたので、夏休み期間中多くの観光客がキャンプ場にやってきていた。
「怪しい・・・」「汚い・・・」奴らが居るとなると、前から書いているように「警察的に印象悪くなるので」。キャンプ場を綺麗にするだけでなく、小綺麗な男を選んで案内役として立たせておいて・・。自転車で回ってくる女の子なんかに、大沼やキャンプ場の素敵な点を紹介したりして・・・・実際テントも寝袋もあるから泊まれますよ、なんて紹介しているんだけど、実際泊まっていく人も居てこっちが(*_*)したりする。良い時代だったのだろう。
地元のホテルのオーナーが、この村を気にってくれて、毎日のように夫婦でナナハンバイクでやってきて一緒に食事したり薪集めたり・・・・。
その紹介だというこれまた函館では知らない人がいない観光施設社長令嬢様がやってきた。
釜戸やテント村を見て「おもしろいわ 私泊まっていく」と即決だった。
ホストは「村長」 勿論村民名である。私より5歳年上だったけど、本当にその名にふさわしい包容力と存在感があった。
以降4日間くらい 村長と村民はそのお嬢様と、一緒に衣食住を共有し、飲み歌い、駒ケ岳に登り、沼に飛び込んだ。
最初憂いがあった彼女の顔が日増しに緩んで、楽しげになり、最後は笑顔で観光客にテント泊りを勧めるまでになっていた。
この間村長の雰囲気というか存在感にはいつも感心させられ、以降の私の人生大いなる影響を受けたのだ。
威張ることない、しゃしゃりでることもない。多弁でもない。でも不思議に相手を気持ち良くするポジションや行動がとれるのだ。
だから村民名「スーちゃん」は日増しに楽しげになっていった。
旅はいろんな出会いがあり、自分を成長させてくれる摩羅好村の村長との出会いは、大きなインパクトを私の人生に与えてくれた。男が男に惚れる、というか。あんな人間に自分もなりたいと心底思ったのだ。
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