今だから自白する45年前の事件

LIFE

吾妻連峰 浄土平での星空への招待に初めて参加したのは、大学生の時だった。

でも・・・・・誰にも話してないことがある。妻も親も知らないことだ。

私だけの秘密をここで白状してしまおう。

 

実は参加未遂「事件」というのがあったのだ。

 

時は高校3年生の夏。先に書いたけど、どうしても星空への招待に参加したかった私は、50ccの原付バイクに、ヤッケと防寒の服、菓子パン、ジュースなどパックして、共働きだった親の留守中に一路浄土平を目指したのだ。

無断で友人の家に泊まることも多かったので、そうは心配をかけまい、という一大冒険記が始まった。

 

原付の制限速度は30キロ。そんな遠出は初めてだけど、10時間位走れば着きそうな気がしていた。

2時間半くらい走って福島県との県境に差し掛かっていた。夏のまだ昼前だというのに、俄かに雲が空を覆い・・・・続いて土砂降りの雨になったのである。

粗末なヤッケなど役にたたず、あっという間にパンツまでびしょぬれになった。すぐに止めば、真夏の太陽が戻ってくれば・・・・すぐに乾くさ・・・。

しかし雨は止まず、そのうちに震えが出始め、手の指の感覚がなくなってきて・・・・・。

 

泣く泣くUターンした。

自宅に戻っても震えが止まらず、押し入れから冬の布団を取り出して被って凌いだのだ。

 

何事もなかったように、夕食卓に付いたので。この大冒険とその事件は誰も知られずに45年の時効を迎えたのだ。

 

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