先日ペレットストーブ設置の現地調査に行ったら、ストーブを置くための炉台が出来ていた。
基本多くのペレットストーブは床に熱は行かないし、燃えている時に扉は明けてはいけないので、火の粉が飛ぶ心配もない。だから「ペレットストーブに炉台」というものは必要はない。
しかし薪ストーブのように「飾り」たい気持ちもわかるのだ。
この飾りの炉台は床面に石が貼られていた。
この石なんだかわかる人???????。
なかなか渋い、良いセレクトだと思うのだ。しかし栃木県北部の人しか知る人は少ないかもしれない。
タイルや石を貼るのを生業にしていたし、ストーブもやっているから、炉台に石を貼ってくれ、と言われることは良くあるのだ。そうした方の多くが「大谷石」を指定してくる。
確かに栃木県を代表する銘石といえば、誰もが大谷石というだろう。
しかし客に「大谷石」と指名されようが、「お断り」することが多い。適材適所で、「使ってはいけない場所」がある大変気を遣う石なのだ。
・絶対に使ってはいけない場所
風呂の床 ちょっとしたことで足が血だらけになります。穴に水は溜まるし・・・・使っている風呂に二度入ったことありますが。「責任者つれてこい」と言いました。
室内の床面 ケガもするし、埃っぽくて掃除が大変
・できれば避けたい場所
屋外の床面 雨に弱くエグレテすぐに穴ぼこだらけになります。
大谷石は凝灰岩。つまり組成は火山灰なので、基本柔らかい、特に「ミソ」と呼ぶ茶色い部分は爪ても削れるほどの柔らかさ。だから床面に使うと、削れて埃っぽいし、固い部分が残ってエッジが立って、室内では足を切ってしまうほどの凶器になる。だから風呂などもってのほかという石なのだ。
特に表層の露出していて固い部分はすでに掘りつくしていて、現代では地下深くから掘り出しているから、地下水で湿っていてとても柔らかい、というか脆い。
そんなわけで、炉台に大谷石を使って、と要望してコウダに断られた人も結構いるだろうな・・・・・。
壁面に使う分には使えますけど・・・・・私的にはなんで大谷石が良いのか???わからない石です。
一方でマイナーですが、炉台・遮熱壁にぴったりの栃木の銘石といえば↑にあげた石なのだ。
組成は那須岳の火砕流を起源に持つ火成岩「芦野石」と言います。色気に派手さはありませんが。爪で削れたり自分で崩れたりする脆さはなく、渋い文様もあって、私はこっちの方が好みですね。
大人好みの銘石だと思います。
しかし現役時代。これを使って、と言われたことが一度もなく、ちょっとセンスが足らないと思うのだ。
石のことわかっていない工務店や薪ストーブ屋に任せるのも・・・どうかと思う。
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