今回の薪ストーブ工事は、工務店側も多数の導入実績がある会社だったので、丸ごと施工できたのだけど。
施主様が当社に相談に見えて「ストーブはコウダにお願いしたい」ということを言っていただいたので、分離発注ということになった。
つまり炉台、遮熱壁、チムニー構造体は工務店。ストーブと煙突の取り付けが当社だ。
炉台と遮熱壁はレンガで造作されていた。
躯体に熱を伝えない、という評価基準からすれば、ほぼ満点の出来である。炉台が狭いのがマイナスだけど・・・・。
ストーブを商っていると
「炉台は『耐火煉瓦』が必要ですよね」と言ってくるお客さんもいるけど。
「耐火煉瓦」とは直接炎に炙られる場所、つまり炉とか焼成窯に使うレンガで、素材自体が違うから、粘土をつかう一般のレンガとは、色からして違う。
炉台に耐火煉瓦は必要なく、かえって形状が無機的だから雰囲気が悪くなるので使わない方が良い。
ホームセンターに売られているベトナム製のレンガでも充分に役に立つ。
但し外構部品としては使うのはお勧めしない。南方の国のレンガは焼きが甘く、栃木県辺りの寒冷地(零下5度位になる地方)では「凍結融解」をおこしてボロボロに崩れてしまうからだ。
でも室内で、熱を遮る役割ならどんなレンガでもOKだ。
と書くと炉台、遮熱壁には、レンガが最適、と捉えられるとそれは私の意ではない。
遮熱壁=レンガ と思い込んでいる方は、「針葉樹はストーブで燃やしてはいけない」と思い込んでいる方と似ている。
何でも良いのだ、躯体を火災からブロックできるなら。石でもブロックでも、ケイカル板でも方法はいくつもある。
「燃やしてはいけない」と言われたから従う。のではなく「燃焼状態がどうなら危険」なのか「そのためにどうしたチェック方法の用意がいるのか」という対応の心構えが肝要。
だから炉台はレンガで作れば安心 ではなく「どこの温度をチェックすれば安心」なのか、と備えることなのだ。
ケイカル板一枚でも事足りることかもしれない。
「かもしれない」 でストーブ屋は「これで大丈夫」とは言わない。
ストーブの種類や、焚き方で、リスクは高まるかもしれないのだ。
だから「こうすればOK」じゃなくて、こうした燃やし方をすれば躯体の温度が何度なんだ、という自分でチェックできるような遮熱壁を作るのが一番なのだ。ケイカル板一枚でも、その裏側の壁の温度が放射温度計などでチェックできるように作ること。
自分の焚き方の結果を自分で確認できるのが何よりの安心だろ。
ネット情報やストーブ屋に、レンガで作るべし、と言っていたと鵜呑みにするのが一番悪いユーザーだと思う。
エアコンや石油ストーブよりはるかに危険な暖房器具を高い金をかけて導入するんだから、他人やストーブ屋の言うことを丸ごと聞かないで、「自分でチェックする」ということを大前提に薪ストーブは使ってほしいね。
それができない、私の言っていることがわからないユーザーは、薪ストーブは買わない方が良いと思う。
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