21年前自宅の暖房に採用したのが
「床下蓄熱暖房」です。
「床暖」はないですよ。床下に蓄熱体がある暖房です。ボックスにレンガなどを詰め込んで、それを蓄熱体にする暖房もありましたが、これは基礎コンクリート自体に蓄熱するので、全く間取りといういか、生活動線の邪魔になることもありません。住宅基礎がスラブ一体型に義務付けられる時代でしたから、余計な建材が必要になるわけでなく、ヒーター自体とコントローラーの追加で完結します。
図面から住宅の熱損失を計算して入れるW数を決めるのですが、普通の住宅だと120万円位で材工で設置できるので内容を考えるとそんなに高くはないです。
床下とは、基礎の土間コン部分。ここにスラブヒーターという発熱体を埋め込んで(コンクリート打設時に一緒に埋め込んで)基礎コンクリート自体が蓄熱体として暖房する、というシステムです。
この電力は深夜電力第2種という、もっとも安い電力で駆動させます。
この暖房システムは、今をもっても「最強」でしたね。
基礎全体に埋め込むので、押し入れだって、玄関だって、風呂場だって温度差が全くなく家じゅう21度位冬の間中あるんです。乾燥もないし、床が熱すぎることもない、この快適さは形容のしようがないくらい最高でした。
心配な電気代ですが、48坪の家、真冬にマイナス5度になる日光のハーフビルドの家です。当地では半年暖房は使います。
で、一冬6万円ほどで、全然高くないのです。これには「マジック」があって、深夜2種電力には、契約W数に応じたキャッシュバックがあって、それは暖房を使わない冬以外も適応されるので、我が家で言えば、年間10万円位戻ってくるのです。
冬の初めと終わりは薪ストーブを焚いて、12月から3月一杯まで蓄熱に通電します。暖房の電気代は4か月弱で16万円位かかりますが、キャッシュバックと相殺すると一冬6万円で済んでしまうのです。
皆我が家に来ると、その快適さにびっくりして、電気代もそんなでもないことに二度ビックリします。
この最強。最高の暖房システムは、現在ではありません。
亡くなった原因は、東日本大震災です。
ユーザーには最高でも、電力会社には利幅のない商品(システム)を売った主な原因は、主に原発の存在です。
一度稼働するとそうそう止めることも、細かな出力調整もできない原子力発電の電力は、どうしても深夜に無駄になっているのです。これを少しでも金に換えるために「深夜2種電力」が生まれました。
北国では、これを使った融雪システムなどが実用化されています。これを住宅暖房に応用した山形の会社は特許を取得し、飛ぶ鳥を落とす勢いで営業所が増えていきました。
当社でも地元工務店に数件住宅向け買ってもらいました。
しかし青天の霹靂。福島原発事故で、原発の多くが止まり・・・・・・深夜2種電力は、募集停止に・・・・。
ほどなくこの会社も倒産・・・・・。
私のような「既得権」をもったユーザーは4年くらい前までこの深夜2種電力を使えてましたが、それも打ち切られています。
もちろん通電すれば使えますが、おそらく月10万円!!なんて請求が来るんだろうと思います。
そんなわけで「最強の暖房システム」は幻になってしまいました。
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