昨日ストーブ相談に見えた方がいた。
薪ストーブの遮熱板が欲しい、という。
衝立型の在庫品やカタログを見せると
??? もうっと大きいのが・・・・という
詳しく尋ねれば
煙突からの熱も防ぎたい・・・・という
であれば煙突本体に取り付ける「プロテクター」形状の煙突カバーをカタログで見せる
・・・???? ストーブも煙突からの熱が壁に伝わらないように全体を蔽うものはないか?という。
ちょっと要領を得ないので、結局現場に見に行くことになるのだけど
で、それがこれ↓
見事に壁が焦げていて、腰下はタイルが貼られていて下地は見えないが、こちらも同等に焦げていてもおかしくない、と見た。
ストーブは、去年の12月マンション3階に設置されていた同型機を入れ替えたストーブと同じ
「メトスカミン」である。
悪い条件が重なったと思う。
① このストーブ鉄板一枚構造だから、加減なく焚くと壁に対する熱圧が凄くなる
② 200mmのシングル煙突が標準なので、煙突からの発熱もダイレクトに壁に行ってしまう
③ 現代の「ゆっくり燃やす」というストーブでないので煙突部分が本体より熱くなっていたことだろう
「不燃材のタイルや石を腰壁に貼ってあるから大丈夫」
ということを、一般人でなく施工側の工務店の方が平気で言うけど。
これは誤った大変危険な炉台なので、これから作る方、あるいはもうそうした炉台を使っている方は注意して欲しい。
確かにタイルは燃えない不燃材ではあるけど厚みは通常10mm前後しかない固い素材だから高温で熱っせられると表面温度と裏面温度がほとんど変わらない。
つまり通常の燃焼温度にはならないだろうけど。低温炭化火災のリスクはあるということなのだ。
200-300度というのは通所の木材は発火しないけど、こうした温度で長期間晒されると、木材が炭化していき通常燃えない150度位でも発火するという。これを低温炭化火災という。
これが大変危険なのは、壁の裏側で燃え上がることだ。だから気が付いた時は家に火が回って置いて手遅れ「全焼」という事故が時々起こっている。
遮熱のためには、レンガなど厚みのある不燃材を躯体とはクリアランスを取って(独立)積むのが正しい。
私の自宅は、12cmのブロックをシングル煙突の部分まで積み上げている。
今回の現場は、前のオーナーがそうした高温で焚いていたみたいで、現在のオーナー様は温度計で管理してそれほど燃やしていないそう。
本来はタイルを壊したり、天井裏もチェックしたいところだけど。
通気層をとって(壁から10cm位話して)ケイカル板で床から天井まで覆う方法がもっとも安くて効果的だとアドバイス。
それと放射温度計を買って、ケイカル板の裏板の表面温度を常に気を遣って計って焚くように伝えてきた。
薪ストーブって、というか知らないで使うって怖いなあ、と思った。
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